
2. 各種処理薬剤のスクリーニング
<目的>
海上に漂流するムース化油を油水分離し油分を燃焼するための一方法として、本調査研究で検討を行ってきた処理燃焼方式は、ムース化油面に散布して油水分離を行う処理薬剤や粘度の低下、燃焼を補助する処理薬剤等が必要となる。これらの処理薬剤を市販の製品から選定するため、以下のとおりスクリーニングを行い処理薬剤を決定した。
なお、平成6年度から実施した各種ムース化油と使用した処理薬剤を表−3に示す。
(1)各種処理薬剤単体の燃焼及び浮沈の調査
<概要>
ムース化油を油水分離し、引続き油分を燃焼させる本手法に用いる処理薬剤は、処理薬剤白身も燃焼性があり、かつ油水分離後も油水界面中に留まるような浮揚性が必要なため、これらを選定基準とした。
処理薬剤の機能とスクリーニングした数は次のとおりである。
エマルジョンブレーカー(EB) :ムース化油の油と水を分離する機能、8種
消泡剤(S) :燃焼中に発生する泡を抑制する機能、2種
自己撹拌型油処理剤(SM) :粘度を下げる機能として用いた、1種
液状ゲル化剤(LG) :消炎後の残渣油を固化する機能、2種
粉未ゲル化剤(SG) :点火源の芯剤、2種
溶剤(SOL) :粘度を下げる機能、2種
酸化剤(OX) :燃焼を補助する機能、1種
煤抑制剤(FE) :燃焼中の煤を抑制する機能、1種
燃焼試験は磁性皿に処理薬剤をそれぞれ50g投入して着火し、消炎した時点で残渣量を計測した。(写真−4,5参照)
また、浮沈性については、1□ビーカーに人工海水を900□入れてそれぞれの処理薬剤を5g投入して浮沈の状況を観察した。
調査結果を表−4に示す。
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